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アクシス移動とコアダイナミクスの真実(Marketing vs. Physics by Nick Siefers)

April 16, 2014

今回はプロショップドリラーさん向けの情報になります。

   

ボールの特性とボールリアクションの関係について、2008年に当時のUSBCリサーチエンジニアであるニック・サイファーさん※が詳細な実験レポートを発表していました。お世話になっているドリラーさんからのリクエストもあり、このレポートを和訳しましたので下記に掲載します。

 

※現在ニックさんは900グローバルのヘッドエンジニアとしてボール開発を行っています。

 

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マーケティング vs. 物理学(2008)

アクシス移動とコアダイナミクスの真実
ニック・サイファー、USBCリサーチエンジニア

 

ボウリングのボールがどのようにレーン上を転がるかについては、ボールモーションの研究を大きな課題としているUSBCを含め、近年のボウリング業界で多くの説が語られてきました。

 

データに表れる重要な傾向に注目することで、ボールのモーションに影響を与える要素が科学的に解明され始めています。

ボールの転がり方については別の研究が実施されていますが、下記の議論はボールモーションを操るコアダイナミクスにおける物理を解明する試みです。 

 

これまでボールモーションに関する多くの説が発表されてきましたが、各社それぞれ違った視点を持っています。

そのいくつかは下記のとおりです:

  • コアがカバーストックを上回る

  • カバーがコアを上回る

  • コアとカバーがお互い微妙なバランスをとっている

  • マスバイアスがアクシス移動を支配している

  • 非対称 vs. 対称コアがボウリングボールのモーションを決める

  • RG、DIFF、そしてカバーストックが一緒に働き転がりに影響を与える

  • その他

業界が発信していこれらの多様な説は、一般ボウラーにとっては混乱のもとになっているかもしれません。

一体どれが正しいのでしょうか?ボールの転がり方には、複数の説が関わっているのでしょうか?

USBCでは、これらの説がコアダイナミクスとボールの転がり方に関係していることから、その真実を突き止めることにしました。

 

テストの数値を明らかにする前に、先ずは本研究に関わるいくつかの事実と物理の原則について理解することが重要です。先ず、 回転半径(RG)は慣性モーメントの平方根を物体の質量で割ったものです。

従って、RGは物体の質量が特定の半径で一緒に動いた場合は同じ慣性モーメントになります。

 

物体の慣性モーメントは物体のトルク(回転軸のまわりの力のモーメント)と角加速度(物体の回転の速さを表す物理量における変化率)の成果の比率です。物理の定義を要約すると、慣性モーメントは物体に力が加わった際、物体がどれだけ簡単に回転するのかを表しています。つまり、RGは、ある重さのボウリングボールにおいてボール内部の質量が中心に寄っているか外側に寄っているかによって、その軸の周りをどれだけボールが回転しやすくなるのかを表すものです。

 

次に、ニュートンの慣性の法則で、力は作られたり壊されたりするものではなく、むしろ保存されているもので、宇宙に存在する全ての物質は力のバランスが保たれると不安定から安定に移行する性質をもっているとされています。これは平衡と呼ばれています。このプロセスを逆さにすると、バランスが失われて安定から不安定な状態へ移行するにはある種の働きもしくは力が加わらなければならないことになります。

 

この概念を念頭におき、ボウラーがボールをリリースする時、ボールは先ずその人のPAP(ポジティブアクシスポイント)を中心に回転し始めます。要するに、PAPは最初の回転軸の位置になります。その後、ボールの属性やボウラーの属性、レーンコンディションと物理の法則(不安定から安定へ)などの影響を受けて、ボールがレーンを転がるにつれ新しい回転軸が現れます。この回転軸の位置が、その後に続く回転で変化してゆくことを「アクシスの移動」と呼びます。ボウラーの回転軸移動は、アルマジロを使ってフレアリングごとの回転軸に印を付けることで知ることができます。フレアリングにはそれぞれの回転軸があり、その回転軸を中心にボールが回転することによってフレアリングができます。アルマジロは回転軸を測ったり見つけたりすることができます。従って、フレアリングにはそれぞれの回転軸が存在します。回転軸の移動はボールに記すことができますが、ドリルパターンの影響を受け、特定の要素により違った形状になります(曲線 vs. 直線)。 回転軸の移動を描いた線のピンからの距離はそれぞれ違ってきます。

 

この時点で、多くの説が発生します。アクシス移動が直線だった場合と曲線だった場合とではパフォーマンスに違いは出てくるだろうか?アクシス移動の軌道がピンに近い場合と、ピンから遠い場合とではボールの転がり方に影響はあるのか?ボールの軌道は高RG点もしくはマスバイアスポイントへ移動するのか?ボールの軌道は低RG点もしくはピンへと移動するのか?アクシス移動の軌道はボールの中のコアの向きに依存するのか?軌道はRGの差異または類似に影響を受けるのか?移動線はこれらの説の組み合わせの結果か、もしくはいずれの説にも依らないのか?アクシス移動線はボールのパフォーマンスにどのように影響するのか?これらはこれまでに問われた質問であり、初めてそれらに対する答えが見つかりました。

 

これらの質問に答えるため、5つのテストが実施されました。USBC用品の仕様および承認部門(USBC Equipment Specifications and Certification dept)で数種類のボール、ドリリング、ボウラーが、アクシス移動のテストのために選ばれ、テストの結果はアクシス移動の傾向を調べるために使用されました。下記のチャートは使用されたボールのリストです:

 

 

テスト1 – 一般的&非一般的なドリルレイアウトでの比較

 

テスト1では、一般的なドリルレイアウトと非一般的なドリルレイアウトを使用しました(非一般的なドリルレイアウトでは、ピンやMBをPAPの位置にもってきてドリル)。このテストに使用されたボールはテスト前にすべてUSBC認証を通っています(ボール1~19)。このテストボールの最初のセットは、38フィートのハウスショットから44フィートのPBAパターンまである4つのオイルパターンのうちの1つでテストされました。テストされたボールはそれぞれ、ボールの表面にオイルエリアとドライエリアの両方からしっかりとフレアリングが着くまでボウラーが十分に投げました。その後、各フレアリングをペンシルでなぞり、アルマジロを使って回転軸を調べました。このプロセスの例は下記 Picture 1 で紹介しています。

 Picture 1: PAPに印をつける

 

ボウラーの回転とボールのフレアにより、各ボールのフレアリングの数が違ってきます。アクシス移動の線を描いてみたところ、直線のものと曲線のものが見られました。 この時点で、各移動点のピンからの距離も記録しました。この距離は、ボールがレーンを転がる中で変化するコアの向きを示します(コアが立っているか、寝ているか)。 最後に各軸移動の点(アクシスポイント)でのRG値を測り、ボウリングボールのモーションを調べました。RGは、RGを計測したデバイスの精度と計測のプロセスにより、小数点第3位まで計測してから第2位に切り上げました。下記の画像では、計測されたいくつかの軸移動線です。

 

Picture 2: いくつかの軸移動線(一般的なレイアウト)

 

 Picture 3: ピンもしくはMBをPAPにしてドリルしたボール(非一般的レイアウト)

 

下記はテストで使用した全てのボールのアクシスポイントとピンとの距離を図にしたものです。もう一つの数字は各アクシスポイントのRG値を示しています。

 

Figure 2 は各ボールの表面で発生した軸移動を表しています。この蜘蛛の巣のようなグラフの中心は0と書かれています。この位置をボールのピンの位置と考えてください。その中心から上へ、0から7までの数字がありますが、それらはピンからの距離(インチ)を表しています。グラフの外周の数字は、レーンを転がってフレアした時の各アクシスポイントを表しています。従って、このグラフは軸移動した各アクシスポイントのピンからの距離を表しています。

 

Figure 3 は前に紹介した「蜘蛛の巣」グラフと似たものです。このグラフでは、中心がRGの低い値「2.45」になっています。中心は離れていくと、RG値が2.45~2.58の間で上昇しています。このグラフの外周の数字は、Figure 2と同じようにレーンを転がってフレアした時の各アクシスポイントを表しています。従って、この図は軸移動した各アクシスポイントのRG値を表しています。

 

テスト1のグラフでは、それぞれピンからの距離や軸移動線の形状が違っていても、ある一定の傾向が見受けられます。このテストで一貫して重要な要因があることに気づきました:

 

「レーン上にあるとき、軸移動線上のRG値はだいたいどのコア形状やドリルであっても各移動点において一貫している」

 

テストした様々なボールから正確に分析した結果、回転軸の移動については、下記のことに依存しないことが分かりました:

 

  1. コア形状

  2. コア角度や向き

  3. カバーストック

  4. 非対称

  5. 対称

  6. マスバイアスの強さや/MID DIFF

  7. スピンタイム

  8. オイルパターン

  9. コアにおける質量の分布

  10. MID DIFF と DIFF の割合

 

上記の因子に関係なく、軸移動は同じ傾向で発生しました。承認されたボールが使われたわけですが、それらのボールはフレアして軸移動した結果、最初にボウラーのPAPから転がしだしたときのRGとほぼ同じRG値で転がっていました。

 

テスト2 – 大きなDIFFのボール

 

次にテスト2では特別なケーススタディを実施しました。このケーススタディでは、USBCの定める規定を超えるDIFFのボールを使いました(ball no. 23)。現在の規定では、DIFFは最大0.060までとされています。DIFFはボールのフレアポテンシャルに直接関係しています。テストボールは規定の3倍もの値にしました。ドリルレイアウトは、 3 3/8’’ (ピン~PAP) x 4’’ (PAP~CG)にしました。 ドリル後、低い方のRG値は2.43’’になり、DIFFは0.190’’になりました。 MID DIFFは0.005’’になりました。 様々なレーンコンディションで、このボールはほぼボール全体をフレアしました。この大きなフレアにより、より長い軸移動を記録することができました。

 

このケースでは、下記のFigure 4 に見られる通り、最初はボウラーのPAP付近(緑の丸)を回転していました。フレアし始めると、回転軸は赤い丸から黄色い丸、そして白い丸へと移動していきました。このボールがUSBC承認ボールよりも大幅にフレアしたので、さらに詳しい軸移動を観察することができました。テスト1の結果と同じように、RG値は各色の地点で同程度に保たれていました。下記のPicture 4ではそのボールと色をつけた軸移動エリアが見れます。

 

Picture 4: 大きなDIFF値のテストボール

 

このテストの興味深い傾向は実際にテスト1と一致しました。もしこのテストボールがUSBC規定内でフレアした場合は、緑色のエリアから赤色のエリアまでしか軸移動を起こさなかったでしょう。このテストの結果を見ると、緑のアクシスポイントと赤のアクシスポイントではほぼ同じRG値になっており、それはテスト1の傾向と一致します。しかし、ボールはもっとフレアし、特別なエネルギーを加えていないので、以降のアクシスポイントでさらに重要な傾向が見られました。黄色のアクシスポイントでのRG値と白のアクシスポイントのRG値では、最初の2つ(緑、赤)に比べてRG値が減少しました。テスト1で、ボールがレーンを転がっていく中で、軸移動は物理と維持されるエネルギーに影響を受けます。テストボールはエネルギーを失い、序々に低エネルギー、低RG値へと移行してゆきます。またテスト1と同じように、レーン上の移動では高いRG値やマスバイアス点(ボールの最も高いRG値)には近づかないということです。

 

テスト3 – ハイスピードカメラ

 

テスト3ではストリップされたドライな状態のレーン(オイルなし)でテストしました。ハイスピードカメラをボールがフックしなくなる53フィート地点に接地し、軸移動を撮影しました。ボールのフックを止める要因は摩擦にありますが、軸移動についてはRPMとボールのDIFFが引き起こすものだということを理解することが重要です。従って、ボールがロールする地点に到達した後も回転軸は移動し続けます。

 

テスト1で使用されたボールのいくつかはテスト3(ハイスピードカメラでのテスト)でも使用されました。いくつかの例は下記 Pictures 4, 5, 6 の通りです。 これらのビデオのコマから、回転軸がボールの高RGに無いことは確実です(MID DIFF の値に関係無く)。 しかし回転軸はボールの低RGのエリアに見られました。 低RG軸はピンの近くに位置しているのが下記の写真でわかります。ボールの真ん中付近にある白い印がそれに当ります。この傾向もまた、テスト1・2と一致します。

 

 Picture 4: ドライレーン53フィート地点でのSahara の回転軸

 Picture 5: ドライレーン53フィート地点での黒いMoRichテストボールの回転軸

 

 Picture 6: ドライレーン53フィート地点のBeetleコアテストボールの回転軸

 

 

テスト4 – スタンダードなドリルのバランスホール有り&無し

 

Ebonite NVS がテスト4に使用されました。ボールは4 ½’’ x 4’’ (ピン X マスバイアス)のバランスホール無しのレイアウトでドリルされ、 その軸移動を記録しました。前のテストのように、各アクシスポイントでのRG値はほぼ同じでした。アクシスポイントは上記のチャートに記録されました(Figures 2 と 3)。次に 1 1/4インチ幅のバランスホールをボウラーのPAPに4インチほどの深さで掘りました。コアのウェイトが削られたことで、PAPのRG値は上昇しました。 このステップは、(バランスホールを掘ることによって起こる)軸移動への影響を測るものです。軸移動線はバランスホールを開ける前と同じになるでしょうか?それともテストした他のボールと同じように同じRG値で別の新たな軸移動線が発生するのでしょうか?テストの結果、案の定同じRG値の傾向で2つ目の移動線が発生しました。 PAP (バランスホール有り) は高いRG値を持っていたので、新しい線も同じように高いRG値になりました。 このテストの結果が下記の写真で確認できます。

 

 Picture 7: Ebonite NVS – バランスホール無し/PAPにバランスホール有り

 

テスト5 – マスバイアスマーキングを従来の移動線上におく

 

最後に、テスト5ではColumbia Tenを使い、マスバイアスマーキングを薬指の下、2 1/2インチほどPAPに寄った形の非一般的レイアウトで掘りました。下記の写真でレイアウトを確認できます。このテストの目的は、マスバイアス点をいくつかのテストボールに見られた普通の移動線上に置くとどうなるかを観察するものです。

 

レーン上にあるとき、もし軸の移動線がより高いRG値に近づこうとするのであれば、このレイアウトがそれをまさに実行してくれるはずです。しかし、これまでのテストで見られたように、移動線はこれまでの傾向と一致しました。このボールも、各アクシスポイントにおけるRG値は最初のPAPのRG値と同じでした。

 Picture 8: Columbia 10 – マスバイアスを普通の移動線上に置く

 

 

 

テスト結果

 

これらすべての結果はボウリングにとって何を意味するのでしょうか?先ず、多くのメーカーがマーケティング戦略としてそれぞれのボールの転がりを説明しています。ここに公開したものはUSBCでの実験結果であり、他のテストとは違う結果になっているかもしれません。重要なのは、このテストは先入観や偏見の無い、極めてニュートラルな環境で行われたということです。このテストはカバーストックの強さをテストするものではなく、コアダイナミクスとコアがどのようにレーン上で動くかを観察したものです。すべてのテストで同じ傾向が見られました。そして分かったのはレーン上での軸移動は下記2つの因子の影響を受けるということです:

 

 

  1. 物理

    • レーン上にあるとき、ボールは高いRG値への軸移動を起こさなかった(つまり、回転軸はマスバイアスポイントや高RG値の軸では回転しなかった)

    • ニュートンのエネルギー保存と働きの法則は適用されていた。

  2. RG

    • レーン上にあるとき、USBC認証ボールは常に最初のPAPとおなじRG値(計測され、小数点第ニ位までまるめられた)へ向かってフレアし、軸移動を起こした。

    • RGは、ボール全体を1つの「システム」として計測されるもので、コアだけに対して計測されるものではない。

 

物理の法則は維持され、決して破られることはありませんでした。RGや慣性モーメント、エネルギーの保存、仕事と平衡、などの物理用語はボウリングボールにも適用されることが証明されました。物理の本や原則に無い特定の用語や概念は、真のコアダイナミクスにさほど影響を与えませんでした。つまり、対称ボールと同じレイアウトでドリルされた非対称コアボールでは、単にボウラーPAP(同じ低RG&Diffの)での最初のRG値が違うだけだということです。 従って、すべての非対称もしくは対称コアはレーンを転がる際、RGの進行はほぼ同じであることが証明され、現在進行中のテストはもう一つのよく議論される質問の答えを導き出そうとしています:

 

「カバーストック、DIFF、ボウラーPAPのRG、フレアポテンシャル、これらがすべての条件が同じと仮定した場合、レーン上で非対称コアは対称コアと同じコアダイナミクスを持つのだろうか?」

 

願わくば、ボウリングボールのモーションとコアダイナミクスにおける、この徹底した分析がボールがどうしてこのように転がるのかの「真の」因子をマーケティングキャンペーンからより分けてくれることでしょう。覚えておいてください、これらとはまた別にカバーストック技術の変化があり、これらもまたボールモーションに変化を加えます。 カバーストックの概念をボールのRGやDIFFの働きと統合することで、ボウラーはより正しくボールを選択することができるようになるでしょう。USBCは今回のテストへボールを提供してくださったMoRich Bowling Companyに感謝いたします。

 

Nick Siefers

 

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